梯郁太郎氏からのご挨拶から始まった講演会は、冨田先生の半生を10分間の映像で紹介したビデオ上映、梯氏と冨田先生の対談と続き、30年以上ものお付き合いがある間柄ならではの、貴重なシンセサイザー黎明期の昔話などをお話しされていました。
他のメーカーが、アナログ・シンセサイザーのコントロール電圧(CV)の入力規格を簡略化していく中、ローランドだけは最後まで従来の規格を通していたそうで、冨田先生はそのことに対して大変感謝されていました。
従来の規格である「1ボルト上がるごとに1オクターブ上がる」方式(oct/V方式)は、非常に回路が複雑になる反面、プログラムをするものにとって、入力するコントロール電圧の計算はとても簡単になります。
単なる「手弾きのキーボード楽器」に収まらない、冨田先生のシンセサイザー妙技を活かすためには、計算のしやすい「1ボルト上がるごとに1オクターブ上がる」方式が、とても重要だったそうです。
昨年の「冨田勲トークセッションレポート」では、冨田先生が奏でる「音」の秘密について、MOOGの不安定さやファジーさに触れましたが、今回の講演においても、「技術と芸術の相互関係」の大切さを改めて感じました。 |