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ご挨拶


冨田勲



ご挨拶

これからの新しい時代に必要なものは、自分の優れた特技を活かして社会に貢献することはいうまでもなく、 それにまつわる周辺の常識をできるだけ広く知り、事を成すことであります。 いまや科学の進歩により、ミュージシャンも、作曲・コンピュータープログラム・演奏・録音技術に至るまで、あらゆるジャンルを一人で成し遂げ、 作品を作ることが可能になりました。この制作法は、現在世界的な流れになりつつあります。したがって その作品の権利は著作権のみならず、全体を制作した事による原盤権そのものもが作者の権利になり、メディア界では認められます。

従って本メソッドでは、従来の作曲の域を超え、音響、サラウンドによる音場表現までを最終目的とし、芸術と工学、 更に法学までに及ぶ研究を院生とともに考え、1952年以来、私が半世紀余もの間に、音楽界やメディア界で 経験してきたことを基調にし、若い彼等にアドバイスをしていきたいと思います。


冨田勲
 


Profile

冨田勲(とみた いさお)
1932年(昭和7年)東京生まれ。慶応義塾大学在学中に作曲家・平尾貴四男、小船幸次郎に師事。
1950年代前半から放送、舞台、映画、コマーシャルなど多彩な分野で作編曲家として優れた作品を数多く残している。


トミタの名前を世界的に決定づけたものは、シンセサイザーによる本格的な第1作「月の光−ドビッシーによるメルヘンの世界」である。 このレコードは当初まずアメリカで発売(アメリカにおけるタイトルは "Snowflakes are dancing")され、ビルボード誌のクラシック チャート第1位を獲得、全世界で空前のヒットとなった。この作品はオーケストラのすべての音色づくりはもちろん 全パートの演奏と録音も冨田自身が一人でこなしたもので、 この音楽制作方法は現在主流となるパーソナルスタジオでの音楽制作の先駆けとなった。

このアルバムの発売の翌年('75)日本人として初めて"Album of the Year"他、グラミー賞の4部門にノミネートされた事で話題を集めたが、 アメリカにおけるレコード・セールス上、 もっとも実質的な意味を持つNARM(National Association Of Record Merchandiserers 全米レコード販売者協会)の '74年度最優秀クラシカル・レコードに選ばれるという栄誉にも輝いた。

その後「展覧会の絵」('75年度NARM同部門最優秀レコード2年連続受賞、'75年度日本レコード大賞・企画賞受賞ビルボード・キャッシュボックスの 全米クラシックチャートの第一位を獲得)、「火の鳥」と、 立て続けにヒットをとばし世界に於けるトミタの名前を不動のものとした。 トミタの音楽は、クラシック・ファンのみならず、幅広い層から支持されロック・ミュージシャンの間でも彼の名は神格化されるようになった。

月の光展覧会の絵火の鳥惑星コスモスバミューダトライアングル


「惑星」以後、「宇宙幻想」「バミューダ・トライアングル」と、2作のスペース・ミュージックが発表されたが、「惑星」と合わせて、宇宙を素材とするスペース・サウンドの3部作を構成している。 中でも「バミューダ・トライアングル」は、今まで以上にオリジナル性を 持たせている事もさることながら、左右の広がりのみならず、音の上下への方向も意識してミキシングされた画期的なアルバムに なり、 翌年のグラミー賞 "Best Engineered Recording"に2度目のノミネートとなった。

これらの宇宙3部作の後、'79年に「ダフニスとクロエ」を発表したが、これは第1作のドピッシーに見られた幻想的で煌めくような 色彩美に、より一層磨きをかけたもので、聴き手をファンタスティックな幻想の世界へ 導いてくれた。この年、トミタは今までの全ての 功績に対して米コンテンポラリー・キーボード誌の読者投票により“ベスト・スタジオ・シンセシスト”に選ばれている。 '83年に発表した「大峡谷」は、 彼にとっても3度目になるグラミー賞のノミネートを受け、国際的評価を確立した。

ダフニスとクロエ大峡谷ドーンコーラス



シンセサイザー以外にも、NHK大河ドラマ「花の生涯」「天と地と」「新平家物語」「勝海舟」「徳川家康」等があり、 その他のテーマ音楽としては「新日本紀行」「現代の映像」「海峡」等がよく知られている。 また映画の分野では「千一夜物語」 「飢餓海峡」「ノストラダムスの大予言」「警視庁物語シリーズ」その他多数がある。アニメ映画では手塚治虫作品の「ジャングル大帝」 「新宝島」「展覧会の絵」、 東映動画「シンドバットの冒険」「ガリバー宇宙旅行記」他多数がある。'74年にはTV文化の向上に 貢献したとしてTV大賞を受賞している。


'84年にはオーストリアのリンツ(ドナウ川)で8万人のコンサートを成功させ、大きな話題となった。 その後"トミタ・サウンドクラウド"はニューヨーク、シドニーを始め日本国内でも展開されており、'90〜'92の3年に わたっては Bunkamuraオーチャード・ホールにて「トミタ・サウンドクラウド・オペラ "ヘンゼルとグレーテル"」を上演している。

リンツシドニー横浜岐阜


'91年にNHKスペシャル「大モンゴル」、映画「学校I」('93年公開)、「学校II」('96年公開)の音楽を担当。そして'94年6月22日、幻の名曲「新日本紀行」をタイトルにして、冨田の劇伴作品の最新録音盤を発売。 大友直人指揮/東京交響楽団の他、多彩なアーティストの演奏によるこのドラマ/アニメ作品集は、発売週のクラシック・チャートでは 第2位に躍り出ている。また「RCAニュー・ベスト100」シリーズの中に冨田自身の 選曲による 「ベスト・オブ・トミタ」を2枚収録する等、冨田勲の集大成とも言える作品群を発表。 また京都遷都1200年記念イベントとして、御寺‘泉涌寺'において五十嵐麻利絵、鼓童等を ゲストに迎え、 トミタのサウンドスペクタルが展開された。

さらに98年〜2000年、冨田はこれまでの音楽人生の全てをかけて2つの“源氏物語”に挑戦。 まず98年には、千年前に描かれながら、今日にも十分通じる愛憎ドラマである源氏物語の交響化に挑んだオリジナル 作品「源氏物語交響絵巻」を作曲。東京、ロサンゼルス、ロンドンと自らの指揮で初演後、アルバム『源氏物語幻想交響絵巻』にまとめあげました。もう一つの作品は東映が社運をかけて制作した50周年記念作品 『千年の恋―ひかる源氏物語』(2001)の サウンドトラック。この作品も日本アカデミー優秀音楽賞を受賞し、ここに冨田音楽の 集大成ともいえる2つの「源氏物語」が完成した。

21世紀を迎えた2001年3月には、放送事業の発展や放送文化に貢献した人に贈られる第52回「日本放送協会放送文化賞」を受賞。そして同年9月オープンの東京ディズニー・シーのエントランス・ミュージックや、 NHK大型ドラマ「聖徳太子」(2001)、NHKスペシャル「アジア古都物語」シリーズ(2002)の音楽も手がけるなど、席の温まる暇もない活躍が続きます。冨田にとって2002年は、作曲活動50周年、シンセサイザーを 始めて30周年の記念すべき年となった。

近年の活動としては、愛知万博オープニングイベントで「源氏交響絵巻」の続編となるシンフォニーのコンサートを行い、 映画の分野でも山田洋二監督の時代劇三部作「たそがれ清兵衛」隠し剣鬼の爪」 「武士の一分」の 音楽を担当する。

また後進の育成にも力を注いでおり、国際的なシンポジウムで数多く講演を行う。2000 年〜2004 年には尚美学園大学・音楽メディアコースで4 年間主任教授を務め、現在は同大学の大学院の教授として 「トミタメソッド」を若手に伝えている。


現在も新たに5.1ch サラウンドのための楽曲づくりに取り組むなど、その創作意欲はますます 止まるところを知りません。


オフィシャルサイト ISAO TOMITA [OFFICIAL SITE]
スペシャル・ファンサイト Nasu Fantasia



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